2016年3月6日付

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丸太を割っただけの座板は幅約30センチで、長さは2メートルほどあった。古くなった丸太ベンチが新しいベンチに取り替えられたばかりで、森の中には片付け前のベンチの残骸があった。それを見つけた2、3人の男の子が、ベンチの脚に使われていた直径15センチほどの丸太の上に座板を乗せ、シーソーのようにして遊び始めた▼ここは駒ケ根市福岡の平地林「十二天の森」。子どもたちにかかれば残骸も遊び道具になってしまう。歓声に誘われるように4人、5人と仲間が増えていく。しばらくすると9人が座板の上でバランスをとっていた▼幼児体育が専門の東海大学体育学部の知念嘉史准教授が、運動ができる子どもとできない子どもの2極化は危機的状況にあると指摘している。それだけではない。運動ができる子どもであっても、幼少期から一つの競技だけを継続して行っていると、動作に極端な偏りが出ることがあるそうだ▼対策は子どもたちが遊びの中でさまざまな動作を経験し、身のこなしを身に付けることができるような運動遊び。場所があり、制約されない時間があり、楽しさを共有できる友達がいる環境で、やりたいことを、やりたいように、やりたいだけやる遊びが理想という▼落ち葉が積もり、ふかふか地面の「十二天の森」は遊び場には申し分なさそうだ。あとはきっかけ。丸太のシーソーの上には、もう春本番のような光が差し込んでいる。

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