口腔ケアで介護予防 上伊那歯科医師会シンポ

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上伊那歯科医師会は6日、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられる地域包括ケアシステムの構築に向けたシンポジウムを伊那市のいなっせで開いた。歯科医師をはじめ医療、介護、行政の関係者など約150人が参加。「口腔機能の向上による介護予防の推進」をテーマに、講演やパネル討論を通じ、要介護者の生活の質を向上させていく上で口腔ケアの重要性について理解を深めた。

団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、医療・介護サービス提供体制の確立を図るための地域医療介護総合確保基金事業の補助を受けて開いた。

日本大学歯学部摂食機能療法学講座教授の植田耕一郎さんが基調講演。植田さんは歯科を受診した人の方が医療費が低いという調査結果などを示しながら口腔ケアの重要性を強調。しかし、何らかの疾患で入院し、急性期から回復期に移行する中で口腔ケアは見過ごされがちになっている現状を指摘した。

そのために口腔内が不衛生になり、誤嚥性肺炎になって入退院を繰り返したり、胃ろうを取り付ける必要が生じ、生活の質の低下を招いていることを指摘。何より「食べる」ことは「生きることの本質」とし、「おいしく」「楽しく」「美しく」食べることが生活の質を上げることにつながると訴えた。

パネル討論では、安曇野市や北安曇郡松川村で特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人孝明、歯科往診を取り入れている辰野町の町立辰野病院、先駆的な在宅医療の取り組みで知られる駒ケ根市の関係者が事例を発表。上伊那口腔保健センターの矢島八郎所長(上伊那歯科医師会会長)は「介護予防、医療・介護連携に『歯科』は有用な社会資源」とし、積極的な活用を提言した。

最後に植田さんは今回のシンポジウムの意義にも触れながら「連携、地域包括の基本はお互いの職種の顔が見える関係。システムありきではなく、需要や現場のつながりからシステムをつくっていくのがいいのではないか」と締めくくった。

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