2016年11月08日付

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秋晴れが続いた先週、茅野市の蓼科中央高原へ紅葉を見に出かけた。標高1600メートルの高原地帯は、木々の色づきが終盤といった感じではあったが、真っ赤なモミジや名も知らぬ木の黄色の葉、錦を思わせる色が目を楽しませてくれた▼改めて紅葉を見て感じたのは、無数の木の葉がつくる色の多様さ、複雑さだった。同じ場所にある同じ樹種であっても、色合いが違う。もっと言えば、一つの木、一つの枝の葉であっても、緑を残す葉もあれば、色変わりが極まって枯れかけた葉もある▼秋に傾く太陽の日差しや吹き抜ける風、下りる寒さの当たり具合によって差異が出るそうだ。若葉のころは同じように見えていた葉それぞれの個の違いが鮮明になっていく、ということもあるのだと思う。多彩な色の葉がつくる風景は美しい▼「葉っぱのフレディ」はそんな木の葉の一生を描いた絵本だ。大木に茂った葉の1枚1枚が多様な経験をしながら、みんな違う色になっていく。木の下に憩うお年寄りや子どものために木陰をつくり、秋には見事な紅葉で楽しませる。最後は土に返り、新しい木を育てる力になる▼人の一生も同じだろう。子どもから成人、高齢者と経験を積みながら、それぞれの個性を育て、生きていく。そして養った知恵や経験を次世代に伝える。紅葉のように美しくないけれど、枯れ色になってきたわが身を振り返り、何ができるかと問う。

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