2016年11月09日付

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「記事になる出来事が多過ぎて弱ったよ」。電話越しに藤原宗三さん(76)=南木曽町=の渋い顔が浮かんだ。23日に妻籠宿で行われる「文化文政風俗絵巻之行列」で配られる瓦版の作者だ。風刺を交えて1年を振り返る。出来たての労作の中身を少しだけ教えてもらった▼リオ五輪閉会式にマリオに扮して登場した首相を描き「安倍1強」を「お山の大将」とチクリ。ノーベル医学生理学賞の大隅良典さんの受賞をたたえ、熊本地震、阿蘇山噴火…。足元のリニアトンネル工事も取り上げ、生活環境への影響に警鐘を鳴らす。聞きながら、膨大なニュースを取捨選択して1枚の紙にまとめる大変さを思った▼学校は寺子屋、裁判所は奉行所といった具合に昔風にアレンジするのも魅力。ことしの自信作を尋ねると、意外にも漢字からカタカナに替えた言葉があるそうだ。「亜墨利加」と書いてきた国名を「アメリカ」にした。瓦版に両方の表記があるのを知ったからだという▼そのアメリカで、民主党のクリントン氏と共和党のトランプ氏による大統領選が投票を迎え、きょう結果が判明する。メール問題、過激発言。できることならどちらの候補も選びたくない。不人気者同士の選挙戦とも言われた▼新リーダーは世界の行方に大きな影響を与える。瓦版は来年、節目の50号。半世紀の紙面にふさわしい、世界の混迷を打開するような明るい話題を読みたい。

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