「百軒衣装」に注目集まる 岡谷蚕糸博物館

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展示された「百軒衣装」を見る寄贈した手代木さん

展示された「百軒衣装」を見る寄贈した手代木さん

岡谷市の岡谷蚕糸博物館が開いている「LIFE With SILK絹のある生活│岡谷シルク再発見」に展示されている「百軒衣装」が、来館者の注目を集めている。200枚以上の端切れを縫い合わせた肌じゅばん。並んで展示されている大正~昭和初期の豪華な婚礼衣装とは対照的で異彩を放っている。この百軒衣装を同館に寄贈した同市湊の手代木とし子さん(77)=麻由布の会主宰=が11日に展示を見学し、「こうした形で多くのみなさんに見てもらえてありがたい」と感謝した。

「百軒衣装」は、「百軒からもらい集めた布で着物を縫って、子どもが丈夫に育つのを祈る」とされ、地方によって「百つなぎ衣装」「百徳着物」などと呼ばれた風習。展示されている衣装は、手代木さんが10年前の2006年に、箕輪町の母親の実家で納戸を整理していて見つけたという。

「パッチワークの原点のような文化」に感動した手代木さんが雑誌で紹介したり、東京高島屋で開かれた日本各地に伝わる手縫いの衣類や小物を集めた「母の手展」に出展し、注目を集めた。以降は手代木さんが大切に保管してきてきたが、「自分の年齢を考えて博物館に相談し、これからも大切に保存してもらえる」と、9月に寄贈した。

寄贈を受けた博物館では、「一片の端切れも無駄にしないかつての文化や、母親の手仕事の思いが伝わってくる」(学芸員の林久美子さん)と、今回の企画展で初めて紹介。「ファストファッション全盛の時代だからこそ、百軒衣装を見てもらう価値がある」と話している。手代木さんや博物館では今回の展示と同時に、百軒衣装に関する情報提供も呼び掛けている。

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