ペンション再生へ 原村が実態調査やモニターツアー

LINEで送る
Pocket

高齢化や後継者不足などの問題を抱え、過渡期を迎えている原村ペンションビレッジ

高齢化や後継者不足などの問題を抱え、過渡期を迎えている原村ペンションビレッジ

標高約1300メートルの八ケ岳の麓に位置し、大自然に囲まれた「原村ペンションビレッジ」。かつては国内屈指のペンション村として全国から観光客らが押し寄せたが、現在は宿泊形態の変化などで宿泊客は減少し、経営者の高齢化や後継者不足などの問題を抱え、過渡期を迎えている。観光を産業の重要な柱と位置づける村は、今後の観光振興にはペンション再生は不可欠とし、実態調査やペンション経営モニターツアーなどの取り組みを始めており、八ケ岳中央高原の観光再生が図れるか、注目される。

実態調査は、八ケ岳中央高原一帯の活性化を図るためにペンション経営の実情を把握するアンケート。6~7月に全ペンション所有者91人を対象に行い、77人(84・6%)が回答した。

調査結果によると、開業時期は3割が1975~80年で、2004年以降は1割以下。土地建物の取得には5割以上が4000~6500万円を投資。経営者の年齢は、60歳代が45%、70歳代が22%、40歳代以下は9%。現在の利用形態はペンション利用が65%、目的外利用が16%、利用(居住)していない人が18%となっている。

今後の経営では、「続けたい」が70%を占めたが、後継者がいる人は18%にとどまり、14%が廃業を考えている。あと何年続けたいかとの問いには、5年以内とした人が5割を超えた。「継続する」と答えた人の今後の方向性は、約9割が自身または家族で継続と回答。一方、廃業を考える理由では、「体力的に厳しくなった」が84%、「修繕費が捻出できない」が42%、「後継者がいない」が32%で、高齢化や後継者不足を裏付けた。

村の観光や移住対策に目をやると、これまでは個別に実施してきたが、人口増加は減退し、観光客の入り込みも減少する中、総合的な取り組みが必要とされてきた。ペンションビレッジでも、オーナーの高齢化や後継者不足により限界集落化を危惧する声も出ていることから、村は今年度から「中央高原の再生による地域づくりと観光振興事業」に取り組むことにした。

その一環として、新たにペンション経営を考える人らを呼び込むことなどを目的としたモニターツアーを民間会社と協力して初めて企画。ペンション後継者をつくるだけでなく、移住を促進することで活性化を図り、活力ある地域づくりを促進する狙いも。ツアーは26~27日に実施され、ペンション経営希望者9人、シェアオフィス起業希望者3人が参加する予定だ。

ペンション若手経営者で、魅力ある地域づくりにも取り組む中村洋平さん(36)は「高齢化や建物の老朽化も問題だが、予約システムや建物の見せ方などが現代の仕組みについていっていないことの方が問題」と話す。五味武雄村長は「村の観光の拠点になる地域で、ペンションの活性化は観光振興の要の施策になる」と話している。

村は来年度、実態調査を踏まえてさらに取り組みを加速する考えだが、オーナーからはさまざまな問題提起がなされている。ペンション再生に向けては、オーナーたちの方向性の共有がかぎとなりそうだ。

おすすめ情報

PAGE TOP