堆砂対策施設を現地視察 美和ダム

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分派堰上流部で、建設中のストックヤードを視察する委員ら

分派堰上流部で、建設中のストックヤードを視察する委員ら

国土交通省三峰川総合開発工事事務所(伊那市)は14日、三峰川の美和ダム湖に建設中の湖内堆砂対策施設の試験運用計画等を検討するモニタリング委員会の第2回会合を、現地視察を兼ねて同市で行った。委員長の角哲也京都大学防災研究所教授は「日本では初めての試みになる」とした上で、「環境的な影響も配慮しながら、洪水の間に土砂を流していくという目的も達成しなければならない。そのあたりのバランスをとることになる」と基本姿勢を示した。

委員会は10月に設置。河川工学やダム工学、生態学の専門家ら6人の委員が試験運用計画のほか、排砂による摩耗など施設への影響、下流への放流による環境影響予測、モニタリング方法等を検討する。ダム湖内に堆積した土砂の一部を一時的にため、土砂バイパストンネル(試験運用中)を使ってダム下流に排砂する方式は国内に例がなく、環境や施設に与える影響を予測、検討し、今後策定する試験運用計画に生かす。

現地視察には4委員が出席。同事務所の説明で、三峰川の同施設上流部から天竜川合流地点までに設定した9カ所を見て回った。視察後には、運用により予想される短期的な濁りへの対策や、長期的な影響を把握するためのモニタリング等について意見交換。角委員長は「湧水や農業用水が戻ってくる場所を、本川が濁ったときの生き物の逃げ場所として確保することも場合によっては有効。川の中にいろいろな受け皿をつくることで影響を小さくできる」と述べた。

湖内堆砂対策施設は土砂をためるストックヤードと排砂ゲート、導流水路、取水施設で構成。昨年9月に着工した。美和ダム湖の上流部に整備した分派堰を越えて流入・堆積する細かい土砂をポンプしゅんせつ船で吸い出し、排砂管でストックヤードに移送して一時的にためる。洪水時に上流部の貯砂ダムから導水される洪水流を使って土砂バイパストンネルに流す。完成時期は未定。

委員会は来年2月に第3回会合を名古屋市内で開き、事務局が報告する試験運用計画の素案について意見を聞く。

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