中アのシカ GPSで追跡調査

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中ア山麓でGPS発信器を装着した個体の捕獲地点

中ア山麓でGPS発信器を装着した個体の捕獲地点

増加が懸念される中央アルプスのニホンジカについて、南信森林管理署や県は、全地球測位システム(GPS)を使った鹿の行動追跡調査を始めた。10月から今月にかけ、雄1頭、雌4頭の計5頭にGPS発信器を装着。行動範囲などを調べ、生息状況の把握や食害などの被害防止に活用する。

14日に駒ケ根市役所で開いた、上伊那地方の市町村や国、県の関係機関でつくる中ア野生動物対策協議会(会長・杉本幸治駒ケ根市長)の総会で、同署や県の担当者が報告した。

説明によると、同署は中ア一帯を対象に、木曽署、東濃署(岐阜県)などと協力し、今年度は7頭の調査を計画。このうち南信森林管理署管内では、10月に駒ケ根市の中田切川上流で捕獲した雄と雌各1頭にGPS発信器を装着して山に放した。

県は中ア山麓一帯で5頭の調査を予定。これまでに10月に木曽郡大桑村の浦川上流で捕獲した2頭、塩尻市の奈良井川林道で捕獲した1頭の計3頭(いずれも雌)に発信器を取り付けた。

追跡期間は、取り付けた発信器の電池が切れるまでの約2年間。来年度にはまとまったデータを示せそうだという。

同署は今年度さらに、中ア一帯に設置しているセンサーカメラを21基から50基に増設。2014年度からは県道駒ケ根駒ケ岳公園線と黒川林道でライトセンサス調査も行っている。この日の報告では今年度、ライトセンサスで雄2頭、雌3頭を確認したことも示された。

中アの鹿の多くは南アから移ったとされていたが、木曽郡南部でも増えていることから、同署は「岐阜県などからも入り込んでいる可能性はある」と指摘。「行動範囲が広いとされる雄へのGPS取り付けを増やし、行動を観察したい」としている。

総会では実質的に設立初年度となる今年度の取り組みについて、構成団体や南アルプス食害対策協議会と連携して状況の把握や情報共有に努める方針を確認したほか、来年1月20日に同市でシンポジウムを開くことを決めた。

杉本会長は「鹿の増加に加え、サルによる被害も課題。関係機関とよく連携して野生動物から自然を守っていきたい」と協力を呼び掛けた。

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