子どもの力を信じて 書家の金澤泰子さん講演

LINEで送る
Pocket

金澤翔子さんの書道作品の横で講演する母の泰子さん

金澤翔子さんの書道作品の横で講演する母の泰子さん

ダウン症の書家として知られる金澤翔子さん(31)の母で書家の金澤泰子さん=東京都=の講演会が15日、伊那市荒井のいなっせで開かれた。壇上に翔子さんの作品を飾り、「天使がこの世に降り立てば~ダウン症の娘と共に生きて」と題して講演。障害者の子を持つ母親としての苦しみや、2人でダウン症を乗り越えてきた道のりについて語った。

42歳のときに授かった子が障害を持っていると分かり、「今の時代と違い、30年前はダウン症であることを隠して育てていた。医学ではダウン症は治らず、奇跡を願うしかなかった」と当時の苦しさを語った。

翔子さんが普通学級への進学を断られた際は「社会の中で私たちは生きていけないというコンプレックスがあり、死んでしまいたいほどに苦しかった」といい、10歳の翔子さんに無謀と思いながらも半年間、般若心経を毎日10回以上書かせた。「2人で苦しい時間を生きるために、翔子はあのとき、書の基本を身に付けた」と振り返った。

翔子さんの初個展をはじめとする多くの業績を紹介し、「私たちは社会で得てしまった観念で生きているが、翔子は学歴社会に入らず、競争心が養われなかった。(作品には)みんなに喜んでもらいたいという純粋な気持ちがあるだけ」と娘の生き方や作品の魅力について語った。

30歳から1人暮らしを始めた翔子さんについて笑顔で話し、「無理だ、できないと思うのは親側の幻想。過保護にならず、子どもの力を信じてやらせて」と障害者の子を持つ母親らに呼び掛けた。

講演会は市教育委員会が主催する市人権同和教育講座の一環。300人以上の人が聴講した。

おすすめ情報

PAGE TOP