人生の最期傍らに 「看取り士」原さん活動開始

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「暮らしの中に看取りを取り戻したい」と語る原さん

「暮らしの中に看取りを取り戻したい」と語る原さん

あなたを独りでは死なせない―。茅野市仲町の音楽療法士、原房子さん(67)が、人生の最期をプロデュースする「看取り士」の活動を始めた。2月に一般社団法人「日本看取り士会」(岡山県岡山市)の養成講座を修了し、5月には講師の資格も取得。死に直面にする本人や家族に寄り添い、人生の旅立ちを支援する実際の活動はこれからだが、地域の人々に「プラスの死生観を広めたい」と意気込んでいる。

看取り士は、本人の望む場所で望むような最期を実現するのが仕事。依頼に応じ、家族や友人、ボランティアら10人の「エンゼルチーム」を組織し、医療や介護の専門家と連携しながら、交代で暮らしを支え、本人の手を握り、抱きしめて見送る。

原さんは、音楽療法を通じて障害者や高齢者と20年以上交流してきたが「人生の終末期にある人といかに触れ合い、何を話せばいいのかが分からず悩んできた」。昨年夏に看取り士の存在を知り「何も言わなくていい。いつもそばにいて、あなたを感じているということが伝わればいいんだ、と分かった」という。

諏訪広域連合によると、諏訪地域の高齢化率(65歳以上人口割合)は2014年の29・5%から25年には33・6%になる見込み。団塊の世代が75歳以上になる25年には1人暮らしや認知症の高齢者が増え、全国的には病院や施設に入れず亡くなる人の増加も懸念されている。

厚生労働省のまとめだと、1950年代は8割以上の人が自宅で亡くなっていたが、80年ごろに病院が上回り、現在は病院死が約8割を占める。一方の在宅死は2014年の全国平均が12・8%。諏訪地域は岡谷9・2%、諏訪13%、茅野13・3%、下諏訪8・8%、富士見9・4%、原17・8%となっている。

原さんは「家族みんなで看取ることがなくなり、死者との対面を『怖い』と感じるようになった。死は誕生と同じように尊いものであるというプラスの死生観を伝えたい。古くて新しい看取りの考え方を地域に広めることができたら」と話している。

同会によると、看取り士 の資格は養成講座を修了すると取得できる。全国には165人(8月現在)の看取り士がいるという。原さんは来年2月、日本看取り士会を創設した柴田久美子会長を講師に招き、茅野市で講座を開く計画だ。

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