小林和男氏講演 内外情勢調査会諏訪支部

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小林和男氏

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内外情勢調査会諏訪支部(支部長・佐久秀幸長野日報社長)は22日、月例懇談会を諏訪市のぬのはんで開き、元NHKモスクワ支局長でジャーナリストの小林和男さん=茅野市出身=が、「日ロ交渉に水をさすもの」と題して講演した。山口県長門市で来月行われる安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領との首脳会談で北方領土問題が打開できるかどうか、見通しを語った。

「山口まで来るんだから2島くらいは返すだろうという淡い期待を持っている人が多いが、これはないだろう」との見通しを示した。「日本がロシアに取ってきた政策は政経不可分。日本が経済的に支援をすればロシアは譲歩すると思っている。領土を大切にするロシアの愛国心を理解していないやり方だ」と解説した。

核兵器を国際法で禁ずる「核兵器禁止条約」について、国連委員会は先月、来春から交渉を始めるとの決議案を採択したが、日本は反対した。「ロシアも核保有国として当然反対しているが、ロシアが日本の行動を歓迎したかと言えば逆だ。昨年まで棄権していた日本が今年になってなぜ反対に回ったのか。それはアメリカの説得というより指示による」と背景を説明した。

「プーチン大統領は2年前まで、平和条約を結んだ段階で歯舞・色丹は日本に引き渡すと考えていたが、考え方が変わった」と指摘。「日本はアメリカの言いなりになる属国だという言い方をしている。日米には安保条約があり、2島が返って日本の主権下になればどう使われるか疑っている。これが決定的に返せない理由になった」と述べた。

また、空論を嫌うプーチン大統領は、実利を重んじるトランプ次期米大統領を評価していると指摘。一方、安倍首相は「新しい発想によるアプローチ」でロシアとの関係強化を図るとしているが、具体的には全く不透明だとし、日ロ首脳会談で具体的な主張・提案ができるかが注目されるとした。

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