高遠石工を考える いななき学舎が公開読書会

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読書活動や講演会を通して活字文化の振興に取り組む上伊那地方の市民団体「いななき学舎」は27日、伊那市中央の伊那公民館で公開読書会を開いた。元同市建設部長の松尾修さん(56)=中川村片桐=が今年9月に出版した小説「高遠旅石工たちの幕末~時に託された想い」(講談社エディトリアル)を取り上げ、著者を招いて開催。35人が参加して小説の背景を学び、登場する高遠石工の生きざまを想像した。

「高遠旅石工たちの幕末」の著者、松尾修さん(右)を招いて行った公開読書会

「高遠旅石工たちの幕末」の著者、松尾修さん(右)を招いて行った公開読書会

「高遠旅石工たちの幕末」は茅野市北山に実在する石造物「人頭蛇身仏」を切り口に、建立の謎解きを通して、高遠石工の仕事をミステリータッチでつづった小説で、江戸時代と現代を結び付け、高遠石工の業績と旅稼ぎの苦労を浮き立たせている。読書会前半の講演で、松尾さんは執筆の動機や出版までの経過、ストーリーの構築について解説。「若い皆さんに高遠石工に関心をもっていただき、知ってもらうために、時代小説にしないよう、現代とリンクさせ、ミステリアスな話にしたかった」と述べた。

講演後は読後の感想を語り合った。同市高遠町に住む男性は「読んでいると、片倉の辺りが舞台になっているのかなと思ったが、どこをイメージしているのか」と質問。松尾さんは「あの辺りをぼやっとイメージしてもらえればいい。ただ、御堂垣外という言葉にはすごくひかれて、使いたかった。空想と現実が行ったり来たりするはっきりしないところがこの作品の面白いところ」と説明した。

いななき学舎は2005年の発足。読書の感想を語り合うことで時代を読む力を培おうと、毎月1回読書会を開いている。「人々が本を読まなくなっていることへの問題意識が活動の基盤になっている」と話すのは伊那市出身で発起人の一人、東京都調布市の山岸正七さん(76)。欠かさず出席しており、「考える力や想像力を養うためにも、特に若い人たちには本をもっと読んでもらいたいし、読書会に来てほしい」と話していた。

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