2016年12月02日付

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掃除は人が育つ基本―と、箕輪町の農業、小原金安さん(89)=木下=は、町内の1中学校5小学校に計200本の竹ぼうきを寄贈する活動を続けている。地域への感謝を形にした格好だ。毎年更新される竹ぼうき。児童・生徒は何を感じるだろうか、どう見ているだろうか▼1964年から同町で農業に携わった小原さん。この地で生計が立てられたことに感謝し、リンゴのふじや王林などを小中学校に贈っていたが、体力的な問題から栽培を断念。替わりに竹ぼうき進呈となった▼小原さんは、竹ぼうきにした理由を「掃除はきれいにするだけでなく、精神的な修行にもなる」と説く。自らの満足だけでなく、辛抱する大切さ、他者への気遣いなど、生きていく上での「修養」の場になるという▼家電大手パナソニックの創始者松下幸之助さんも、人材教育の一環として全社員に掃除を励行させたという話はつとに有名だ。同社製ロボット掃除機もヒット商品になった裏には、額に汗して掃除にいそしむ社員の姿があったのか▼主婦を対象にした「嫌いな家事」調査で、掃除は堂々の1位という。終わりが見えず「達成感が得られない」が理由らしい。だが、先人たちの教えを総合すると、自ら実践する積極性や整理・整頓に伴う合理的な始末、辛抱を通じて力強さが身に付くという。児童・生徒たちにとって新しいほうきは、良い修養機会となるだろうか。

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