2016年12月03日付

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「おふくろの味」と聞いて思い浮かべるのは何だろう。みそ汁、肉じゃが、カレーライス―。それぞれの家庭ならではの味があって忘れられないものだ▼ところが、今は「おふくろの味」ならぬ「袋の味」になっているという。冷凍食品やレトルト食品が増え、温めるだけで出来上がる。核家族や共働きの世帯が増えた現代には頼もしい味方と言え、一概に否定するのは早計だろう。家庭を切り盛りし、陰に陽に家族を支える母親の存在の大きさに変わりはない▼みそ製造のハナマルキが商品名にちなみ毎年小学生から募集、発行している詩集「おかあさん」には母親への思いが詰まった作品が収められている。無論、やさしい顔ばかりではない。おそろしい「鬼」になったり、偉大な「地球」になったり。ほほ笑ましくも鋭いまなざしに感心させられる▼読み進めると子どもの成長過程をたどるよう。3年生ぐらいまでは抱っこや読み聞かせ、添い寝といった触れ合いに大きな喜びを感じ、「大好き」な気持ちをストレートに表現している。学年が上がるにつれ、素直に気持ちを伝えられないいら立ちも。6年生の女の子は自ら「反抗期」とし、心の葛藤をつづった▼残念ながら詩集は非売品だが、入選者のほか、同社の地元の伊那市や箕輪町、南箕輪村に贈られた。児童はもちろん、できれば親にも読んでほしい。わが子が一層いとおしく思えてくるはずだ。

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