2023年6月6日付

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最近気になったデータを二つ。一つは博報堂DYホールディングス傘下のSIGNING(東京)による新型コロナ5類移行後の社会の変化に着目したリポート「兆しのニュース」の脱マスクに関するアンケート調査。続マスク派が半数の47・8%に上った▼周りの様子を見ながらいずれ外したいも37・5%。脱マスク派は14・7%にとどまった。感染拡大時には横並び意識の強さや世間体を気にするといった国民性がマスク着用を後押ししたとの見方もあったが、やはり周りの目が気になるのか外すタイミングもなかなか難しいようだ。屋外でもまだまだマスク姿の人が目立つ▼もう一つは公益財団法人1more Baby応援団(東京)の「夫婦の出産意識調査」。2人目以降の出産をためらう「2人目の壁」を感じる人の割合が78・6%に上り、過去10年で最高になった。うち76・8%が教育関連費などの経済的負担を理由に挙げた▼折しも2日には2022年の人口動態統計が公表され、1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す合計特殊出生率は1・26で05年と並んで過去最低となった。このままでは2人目どころか1人目さえおぼつかなくなる▼マスクは夏の到来とともに外す人も増えてくるだろう。一方で少子化は積年の課題。子どもが少ないことが当たり前になりつつある社会で、人々の意識や行動様式を変えていくのは容易ではない。

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