歴史や魅力紹介 高遠町三義の3部冊子完成

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伊那市高遠町三義の冊子「美しい山里の村」の完成を喜ぶ役員

伊那市高遠町三義の区民有志でつくる「三義地域おこしの会」(北原康弘会長)は、地域の歴史と文化、魅力を紹介する3部冊子「美しい山里の村 行き逢う子らの美しき村」を完成させた。近年増えている移住者の協力を得て製作。三義の年表を中心とした「歴史編」(A5判、84ページ)、長老12人の語りをまとめた「聞き書き 百年の暮らし」(同、214ページ)、三義の魅力を再発掘する「未来へ」(A4判、52ページ)の全3部で、計200セットを用意。区民ら地域関係者の申し込みを受け付けている。

同会は2019年に発足。市高遠町ふるさと創生支援金事業の補助金を受け、20年から3年間、歴史と文化の保存や伝承による地域おこし活動を実施。同冊子作成のほか、1930年発行の「三義村誌」の復刊と配布、「三義音頭」の復活、法華道マップの発行などに取り組んできた。

同冊子は約5年前から下準備を始め、発足後に本格的に作成を開始。遠照寺住職で同会の松井教一事務局長(68)は「三義村誌以後の歴史をまとめて本にすることは先輩たちの願いであり、長年の”宿題”だった」と話す。「歴史編」では、高遠町誌(高遠町誌編纂委員会編)などを参考に製作した年表を掲載。三義の伝承や三義石工、寺社なども取り上げた。

「聞き書き」では、年長者12人が地元での体験談を語り、移住者ら10人が聞き手となってまとめた。「未来へ」は、子どもたちを焦点にし、三義の魅力を発信したい-と全区民対象のアンケートを基に作成。手描きのイラストマップに区民の好きな場所や見どころなどを記し、地区内の団体の活動紹介や子どもたちのメッセージなどを載せた。

同地区は全戸104戸のうち、4割が移住世帯という。北原勝史副会長(75)と松井事務局長らは「若いIターン者が増え、三義の歴史が変わるとき。製作を通じ、この地域を知りたいという移住者が多くいると知り、地域を任せられるという安心感がある。若い世代にこの冊子で地域を学んでほしい」と話した。

冊子は高遠北小学校や市図書館などに寄贈する。一般申し込みの受け付けは19日以降で先着順。部数に達し次第締め切る。問い合わせは遠照寺(電話0265・94・3799)へ。

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