飼育で学ぶ蚕糸業 蚕糸博物館が「春蚕」配布

LINEで送る
Pocket

桑の葉に付いた蚕を眺める児童たち

岡谷市の岡谷蚕糸博物館は、今年度も学習用の春蚕の配布を行っている。6日は同館学芸員が同市の湊小学校に春蚕200頭を届け、飼育を行う4年生19人に蚕の特徴や飼い方の注意点などを説明した。児童らは、5月25日にふ化した小さな蚕に興味津々だった。

同校では、1人10頭ずつ育てる計画。児童らは同館学芸員の森田聡美さんから、餌となる桑の葉を1日に3回与えることや汚れた手で触らないこと、水にぬれないように注意することなど飼い方の注意点について説明を受けた。その後、桑の葉の採り方や選び方も学び、実際に校庭にある桑の木から葉を採り、蚕に与えた。

最初は少し戸惑っていた児童らも慣れてくると次第に笑みを見せ、じっくりと蚕を眺めていた。児童の一人(9)は「かわいい。病気にかからないように大切に育てたい」と笑顔。森田さんは「ぜひ命の大切さや岡谷の製糸業について学んでほしい」と期待した。

飼育を通して蚕糸業の歴史や命の大切さを学んでもらおうと、毎年、春蚕と秋蚕がふ化する時期に行う事業。春と秋を合わせ、市内の7小学校と11保育園のほか、茅野市と長野市の小学校からも申し込みがあったという。

同館では一般向けに春蚕の無料配布も実施している。1人最大20頭まで持ち帰ることができる。桑の葉を調達できることが条件で、受け渡し時は紙箱を持参する。

問い合わせは同館(電話0266・23・3489)へ。

おすすめ情報

PAGE TOP