諏訪湖上花火大会へ 小口煙火で製造最盛期

創業100年を迎えた小口煙火の工場で花火玉作りに励む職人たち
諏訪湖の夏を彩る花火シーズンを前に、諏訪市双葉ケ丘にある「小口煙火」の工場では、打ち上げ花火の製造が最盛期を迎えている。今年は8月15日の諏訪湖祭湖上花火大会が4年ぶりに開催される。職人たちは「今年こそ花火を見てもらえる」と心を躍らせながら、3年分の思いを込めて作業を進めている。
全国屈指の規模を誇る湖上花火大会は新型コロナウイルスの影響で、2020年が中止、21年と22年は分散開催だった。第75回の今年は大会形式が”復活”し、競技花火や水上スターマインなど22セットを打ち上げる。7月28日からは諏訪湖サマーナイト花火も始まり、8月27日までの30日間(8月15日除く)、毎晩約500発の花火で信州・諏訪湖の夏を盛り上げる。
小口煙火は今年4月、湖上花火大会の開催が決まったことを受けて花火玉の製造を本格化。工場は安全対策として電気が不通。天候や湿度に細心の注意を払いながら、日の光を頼りに全て手作業で花火玉を仕上げている。作業は6月末ごろまで続くという。
7日は、諏訪湖上で最大となる尺玉10号の仕上げ作業が進んでいた。直径約30センチの尺玉は上空350メートルまで上昇し、直径約300メートルの大輪を咲かせるという。
小口煙火(諏訪市湖岸通り)は今年が創業100年。4代目の小口晶大社長(34)は2019年5月の社長就任後、花火大会の中止や規模縮小を経験してきた。「大きい玉を作ると、大きい花火大会が戻ってきたと感じます」と語り、「皆さんの期待に応える花火を打ち上げたい。今年は外に出て花火を見上げてもらえたら。諏訪湖の花火を楽しんでほしい」と話している。