2023年6月9日付
1873年に官立4小学校として開校し、150年余りの歴史を刻んできた辰野町の川島小学校は、2025年3月末で廃校となる。卒業生や地元住民にとってさぞや悲しく寂しい決定だったことだろう▼廃校の最も大きな要因はやはり少子化。文部科学省によると、急速な少子化が進む日本では年間450~500校が廃校になっているという。02~20年度までの廃校数は8580(小学校5678、中学校1721、高校1181)校にも上り、今や廃校は珍しいことではないのだ▼廃校施設の約75%は社会体育、社会教育、文化、福祉、医療、法人、体験交流など、何らかの施設として活用が図られているが、約20%は用途が決まらずに放置され、維持管理費が自治体の負担になっているという▼文科省では廃校活用推進のために、「使ってほしい」地方自治体と「使いたい」事業者への情報発信、双方のマッチングを行う「みんなの廃校プロジェクト」を進めており、食品工場や研究施設、水族館、レストラン、グランピング施設などとして活用が図られている▼数億、数十億もの税金が投じられたであろう川島小も間もなく廃校となるが、残された施設はどうなるのだろう。町は地元住民も交えて利活用の検討をするとしているが、廃校になったとしても多額の税金を投じた施設は町民共有の財産。何に使うのか、どう生かされるかは町民の関心ごとだ。