塩嶺王城マラソン廃止 代替イベントを計画

2019年大会の「塩嶺王城パークラインマラソン」で新緑の中を走るランナー
岡谷、塩尻、辰野の3市町でつくる塩嶺王城観光開発協議会(会長・今井竜五岡谷市長)は8日、2023年度総会を岡谷市役所で開き、例年開催していた「塩嶺王城パークラインマラソン」を廃止することを決めた。代替イベントとして、秋に3市町にまたがる初期中山道を中心としたウオーキングとサイクリングのツアーを行う予定だ。
鳥居平やまびこ公園(岡谷市)、塩嶺高原(塩尻市)、しだれ栗森林公園(辰野町)を結ぶ「塩嶺王城パークライン」が舞台の同大会は、1999年に始まった。メインのハーフマラソン(21・0975キロ)をはじめ、距離や年代などに応じたさまざまな部門で競技を実施。諏訪湖や松本平を望む景色の良さと起伏に富んだコースを走ろうと、全国からランナーが集まった。
しかし、新型コロナ感染拡大の影響で2020年から中止が続いた。同協議会事務局によると、当初は多くのランナーに訪れてもらい、3市町の観光につなげる狙いだったが、競技参加を目的とし、競技が終わると滞在せずに帰ってしまうケースが多かったという。
そこで、観光につなげるために、近年、外国人観光客を中心に人気の街道巡りに着目。初期中山道を生かして、歴史に触れながら実際に3市町を巡ってもらおうと、ツアーを計画して9月下旬~10月中旬に実施することにした。
ウオーキングはJR岡谷駅―小野峠―JR小野駅の約10キロ、サイクリングは岡谷駅―小野峠―小野宿―牛首峠―桜沢(塩尻市)の約20キロのコース。いずれも中山道に精通するガイドが案内し、昼食やお土産には3市町の名物や特産品を用意する。
事務局では、アクティビティ事業と位置付け、反応を見ながらツアーに限らず毎年内容を検討しながら開催していく考え。今井会長は「価値観の変化やニーズの多様化に対応し、より充実した事業になっていってほしい」と話した。