伊那市創造館 企画展「中尾歌舞伎」に優秀賞

優秀企画展賞に選ばれた伊那市創造館の企画展「中尾歌舞伎」
伊那市創造館で開催中の第29回企画展「中尾歌舞伎」が、県博物館協議会の2022年度優秀企画展賞に選ばれた。同市長谷中尾に伝わる地歌舞伎「中尾歌舞伎」を紹介する企画展で、地域に根差した文化や歴史などを調査研究し、一般に広く公開していることが高く評価された。
県内の博物館など130館が加盟する同協議会が、学芸員らが取り組む日頃の研究活動やその成果を認める機会をつくろうと今年度初めて同賞を設けた。県内の博物館などから推薦され、22年度内に始まった企画展を対象に受賞展示を選んだ。
市創造館では、3月25日から6月26日まで第29回企画展を開催中。中尾歌舞伎の歴史をたどりながら、過去に上演した演目や中尾歌舞伎に貢献してきた師匠、故西村清典さんのインタビューを映像で紹介。舞台で使用される衣装や小道具、西村さんが手書きした台本などが展示され、六歌仙が描かれた引き幕も飾られている。舞台では現在、引き幕のレプリカを使用しており、実物を見られる貴重な機会となっている。
企画展を担当した市創造館職員の福澤友美さんは「中尾歌舞伎の皆さまが長年活動してきたおかげ。受賞を機に中尾歌舞伎を広く知ってもらい、担い手不足が課題の中尾歌舞伎に参加してくれる人が増えてほしい」と話した。
同賞には、諏訪市博物館と下諏訪町諏訪湖博物館の2館が同時開催している企画展「諏訪信仰と仏たち」も選ばれた。