広々のんびり 入笠牧場で牛の放牧始まる

牛を牧草地に追い立てる関係者=伊那市高遠町の入笠牧場
JA上伊那が管理運営する伊那市高遠町の入笠牧場で15日、恒例の牛の放牧が始まった。初日は上伊那地域の畜産農家5軒から預かったホルスタインや和牛など計28頭を放ち、牛がのんびり草をはむ牧歌的な風景が広がった。
放牧は月齢8カ月以上の妊娠している牛や妊娠前の育成牛が対象。約100ヘクタールにも及ぶ広々とした牧場で足腰を鍛えて安産につなげるほか、飼料にかかる費用を下げる狙いもある。標高約1600メートルの冷涼な環境を生かし、9月末まで続ける予定。
この日は、JAをはじめ、市や県の関係者約20人が参加し、トラックで運んできた牛たちの放牧に取り組んだ。健康チェックが終わると、牛を1頭1頭囲いから出し、牧草地へ誘導した。
夏の間、牛を見守る牧場管理人の三沢厚さん(75)=同市福島=は「今年の牛はとても形がいい。健康だし栄養状況もいいのが一目で分かる」と目を細めていた。
JAでは、8月の旧盆前に行う中間検査で放牧した牛たちの健康状態を調べるとともに、南信地方で新たに妊娠の分かった牛を追加で入牧させる予定。放牧牛は最終的に50頭ほどになるという。