2023年6月16日付
スタート直後の上り坂をなんとか乗り切り、一時気持ちよく下ったかと思えば再び現れた終わりが見えない長い上り坂。とにかくきつかった思い出が残る「塩嶺王城パークラインハーフマラソン大会」は社会人になって初めて出場した大会だ。廃止の決定に寂しさを覚えた▼感染対策を意識しつつ、さまざまな行事が再開している。マラソン大会もその一つ。だが、定員割れとなる大会が全国で相次いでいる。コロナ禍で市民ランナーは減ってしまったのか▼笹川スポーツ財団の調査によると、コロナ禍の2020年にジョギング・ランニング人口は過去最高の1055万人(推計)に達した。22年には散歩や筋トレなどと同様に落ち着き、18年と同程度に戻ったようだ▼ランニング愛好者として定員割れの理由を考える。思い当たるのは、参加費高騰と過去の大会で開催直前に中止となったやるせなさ。いずれも新型コロナの影響だと頭で分かっていてもレースに向けて練習を重ね、仕事や家庭の都合をつけて、遠方であれば宿の手配も。それで「中止です」では落胆も大きい。大会選びは慎重にならざるを得ないといったところか▼10月の諏訪湖マラソンもエントリーが締め切られた。6月も半ばを迎え、出場予定者の練習も本格化する頃。選択と集中の大会選びで選ばれた諏訪湖の秋の風物詩。これからもランナーに選ばれ続ける大会であってほしい。