蓼科高原映画祭 小津生誕120周年企画展開へ

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日本映画界の巨匠、小津安二郎監督(1903~63年)が晩年の仕事場にした茅野市で行われる「第26回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」の第1回組織・実行合同委員会は15日夜、市役所で開き、今年の企画案などを確認した。会期は9月23日~10月1日の9日間。小津監督生誕120年の節目に映画上映や舞台トーク、ツアーといった多彩な催しを繰り広げる。

小津監督の拠点となった同市蓼科などで生誕120年特別企画を展開する。会期中、小津安二郎記念館「無藝荘」で、小津監督の好んだ食事や酒を楽しみながら関係者の話を聞く「小津と過ごす一夜」を開催。小津監督作品の脚本家、野田高梧(1893~1968年)の資料館「新・雲呼荘」では野田の孫の山内美智子さんが特別講座を開く。

映画上映は茅野市民館と新星劇場で実施。蓼科で制作された「秋日和」「秋刀魚の味」といった小津映画をはじめ、監督協会新人賞の「さがす」や諏訪地方でロケが行われた「百花」など20本を上映作品の候補に挙げた。8月25、26日の夜には蓼科会場の道の駅「ビーナスライン蓼科湖」で屋外上映会を行う。

舞台トークには、諏訪地域にゆかりのあるゲストや上映作品の出演者、監督らが登場予定。活弁士の澤登翠さんの公演と俳優の中井貴惠さんによる小津監督作品の音語りも行う。会場ではコロナ禍で中止していたカフェなどの「おもてなし」を再開する。

22回目となる短編映画コンクールは4月1日~5月20日に作品を募集し、今年は111本が寄せられた。24日の1次審査と7月8日の2次審査を経て入選10作品を選んだ後、8月の最終審査でグランプリなどの各賞を決める。

組織委員長の今井敦市長は「小津生誕120年の映画祭を成功に導けるよう協力を」とあいさつ。山本活夫実行委員長は「映画祭は茅野市にとって貴重な文化的遺産。先々まで継続していかなければならない」と述べた。

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