同人誌「ゆうすげ」 創刊から半世紀80号

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同人誌「ゆうすげ」80号と半世紀の歩みを振り返る冊子を手に節目を喜び合うメンバー=諏訪市公民館

諏訪地域を中心とする住民有志のエッセーをまとめた同人誌「ゆうすげ」が、通巻80号に達した。1973(昭和48)年1月に女性8人で第1号を発刊してから足掛け50年で到達。80号に合わせて、半世紀の歩みを振り返る冊子も作った。同人の高齢化は進んでいるが、40代など若い世代の新規入会もあり、10年後の100号に向けて意欲を新たにしている。

「木曜会」と名付けた子育て中の母親らによる読書会が始まりだ。「文集をつくりたい」と声が上がり、友人、知人を誘い合って第1号を刊行した。名称は霧ケ峰に咲く花から検討し、ニッコウキスゲの別名と思い込んでいたという「ゆうすげ」に決まった。

ガリ版刷りから、手書きコピーのひもとじ、製本と時代とともに体裁は変化。78年からは谷澤信憙さん=諏訪市神宮寺=が表紙絵を手掛けるようになった。同人の出産や育児などで休刊することもあったが、95年から春、秋の年2回発行を継続。コロナ下でも休まずに発刊を続けた。

節目の80号は200部作成した。これまでと同様に諏訪市図書館に贈るほか、諏訪地方の他の公立図書館にも届けたいという。冊子「50年のあゆみ」は会員向け。創刊時の思い出や足跡、物故同人への感謝などをつづる。

現在の会員は諏訪地方内外の男女18人。図書館で「ゆうすげ」に出合い、入会した県外在住者もいる。

創刊時からのメンバーの1人で、事務局を担う三ツ橋紀代子さん(82)=同市立石町=は「コロナの間は会うことはできませんでしたが、『ゆうすげ』の仲間のエッセーから元気をもらった。励みにもなった」と感謝。「井戸端会議の延長のような、それぞれが飾らず自然体で書きたいことを書くスタイルだったからこそ長く続けられた。100号を目標に頑張りたい」と話している。

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