「万治の石仏」名付け親の絵、ポストカードに

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万治の石仏の名付け親、矢ケ崎孫次さんが描いた石仏のポストカードと、命名の背景などを紹介するパネル展=JR下諏訪駅構内の下諏訪観光案内所

下諏訪町の観光名所「万治の石仏」の名付け親で、昨年7月に亡くなった矢ケ崎孫次さん=享年89歳=の長女、伊藤やよいさん(63)=東京都=が、矢ケ崎さんが描いた万治の石仏の水彩画をポストカードにした。「父と万治の石仏の関係を後世にしっかりとつなげていきたい」との願いを込めた。同町のJR下諏訪駅構内にある下諏訪観光案内所などで販売している。

矢ケ崎さんは町内で英語塾を経営し、中高生の英語教育に20年間にわたり尽力。教え子は下諏訪町を中心に、岡谷市や諏訪市まで延べ2000人に上る。万治の石仏は1978年に商標登録を取得し、2007年には町の発展のため、下諏訪商工会議所に商標登録を無償で譲渡。今年5月、教え子たちが矢ケ崎さんを追悼する「偲(しの)ぶ会」を同商議所で開いたのに合わせ、伊藤さんがポストカードを企画・制作した。

矢ケ崎さんは絵が趣味で、この絵を額に入れて飾っていたという。石仏を中央に大きく描き、前方に石灯籠4基を配置。背景は文様のような緑の木々で埋め、自由奔放な筆致が目を引く。制作年は絵の右下に記され、商標登録と同じ1978年。宛名面には矢ケ崎さん直筆の「万治の石仏」の文字と、名付け親であること、商標登録やその譲渡についても記載してある。

ポストカードは1枚200円で販売中。原画のコピーも飾ってある。石仏命名の背景を紹介したパネルや新聞記事も展示している。観光案内所の小松直人所長は万治の石仏の初めてとなるポストカードの誕生を喜び、「パネル展示とともに、観光客らに孫次さんの石仏への思いや歴史などを説明していきたい」と話している。

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