果汁凍結で濃厚に 信大リンゴワイン販売開始

濃厚リンゴワインの味を楽しむ信大農学部の学生たち
信州大学農学部(南箕輪村)構内の生産品販売所で20日、学生らが前年度に栽培したリンゴ「ふじ」の濃縮果汁を原料にした「濃厚リンゴワイン」の販売が始まった。果汁を凍結濃縮させ本来の1・5倍近い糖度にしてから、醸造した逸品。シリーズ4作目となる2023年度産ワインの出来栄えは「果実そのものの甘みや香りが濃厚。例年以上に爽快感を味わえ、一層飲みやすくなっている」という。
果実は昨年11月、栽培実習の一環で、現在の3年生が構内のほ場で収穫したもの。天候に恵まれ、質、量ともに上々の出来栄え。収量は例年を上回る約4・5トンで、うち約500キロをワイン用に回した。農学部構内で、糖度13~15度の果汁を氷点下30度でいったん凍らせ、解凍段階で濃厚な果汁のエキス成分を抽出。糖度20度ほどの濃縮果汁にし、伊那ワイン工房(伊那市)に醸造してもらった。
栽培に携わり、摘果作業が大変だったという3年の田中菜々さん(20)と種子朱莉さん(20)。ワイングラスを片手に「リンゴの甘みと酸味のバランスがちょうどいい。おいしいワインになって、うれしい」と上機嫌だった。
アルコール度数は6%。ハーフボトル(375ミリリットル)は1本2000円(税込み)で、338本を用意した。全国発送も受け付ける。
問い合わせは農学部付属施設担当(電話0265・77・1318)へ。