ワインとピクルス返礼品 伊那市ふるさと納税

ヤマブドウのワイン「山紫」とファームはせのピクルスを紹介する関係者ら
伊那市は7月1日から「ふるさと納税」の返礼品として、市内で栽培から醸造まで行われるヤマブドウのワイン「山紫」と農業法人ファームはせ(同市長谷)が開発したピクルスのセットを提供する。返礼品の魅力を向上させつつ、市の農産物や特産品のさらなるPRにつなげる。対象の寄付金額は2万3000円。50セットを用意する予定だ。
市は信州大学農学部、やまぶどう生産者の会と協力し、ヤマブドウを活用したワイン事業に2006年度から取り組んできた。今回は地元農産物の先進的な活用を展開する同法人に着目して企画。セットの内容は、山紫のフルボトル1本(720ミリリットル)、ピクルス「Colart Natural(カラート・ナチュラル)」3本になる。
山紫は市が同大と連携して開発したヤマブドウ「信大W―3」を使用。生活習慣病予防につながるとされる抗酸化物質ポリフェノールを多く含む。糖度20%以上のブドウを使い、素材のみで醸造。あっさりした味とたるで熟成させたような香りが特徴という。
ピクルスは同法人が昨年に立ち上げたブランド「Colart」の商品。野菜そのものの食感を残し、適度な酸味と蜂蜜の柔らかな甘みのある味に仕上げている。今回のセットには栽培期間中に化学農薬と化学肥料を使用しないピクルス「ナチュラル」を採用した。
醸造を担う伊那ワイン工房(同市美篶)の村田純社長とやまぶどう生産者の会の城倉友幸会長は「ワインは何かを合わせることで良さを引き出し、互いに補い合うことができる」「特産品がコラボすることは市のPRにとてもなる」と話していた。
ピクルス開発担当の日野美香さんは「ワインとの相性はばっちり。野菜の味もワインの味も引き出される」。市は「ワインとピクルスを通じて、伊那市の農産物の良さを全国に発信したい」と話していた。