2023年6月23日付

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気象庁が関東甲信地方の平年より1日遅い梅雨入りを発表して以来、県内では梅雨らしい日が少なかった。しかし全国に目を向けると、大雨による水害が発生した地域もあり、日本は意外にも広いのだと感じさせられる▼雨にまつわる故事、ことわざがたくさんある中、「雨降って地固まる」という言葉が日常でよく使われている。けんかしても仲直りしたら以前にも増して仲良くなるという意味だが、雨が降った後の地面はぬかるむもの。本当に固くなっているようには思えないのだが▼雨が降れば当然、土は水を含んでどろどろになってしまう。しかしよく見ると地面はさまざまな大きさの石や砂などで構成されていて、これらの微粒子の間にわずかな隙間が見える。この隙間に雨水が染み込むことで隙間が埋められ、乾いた後は地面は固くなるのだ▼昔の人は本当によく自然を観察してきたものだと思う。「朝霧は日中晴れ」「朝焼けは雨」「アリの行列を見たら雨」など天気にまつわる言い伝えは数多い。自然とともに暮らしてきた先人たちは、科学的な予測が行われる以前から自然のわずかな変化で天気を予想してきたのだ▼しかし現代は地球温暖化などにより、言い伝えも当てはまらないほどわれわれの予測が及ばない気象変化が起きている。最近は数十年に一度の大雨も頻発しており、「自然界の法則は人知を超える」ということを思い知らされる。

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