2023年6月24日付

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電動キックスケーターなど電動パーソナルモビリティの一部を「特定小型原付」(特小原付)と位置付けて、運転免許なしで16歳から乗れる改正道路交通法が7月1日からスタートする▼改正の背景には、政府が推進する規制のサンドボックス制度があるという。新たな技術の実用化やビジネスモデルの実施が現行規制との関係で困難な場合、社会実装に向けて事業者の申請に基づき、規制官庁の認定を受けた実証で得られた情報やデータを用いて規制の見直しにつなげていくとする▼免許証が必要な原付バイクと区分するため、新たに第三者機関による確認制度が導入され、各社から新モデルが発表された。警察庁によるとキックスケーターの道交法違反の摘発は、2021年9月から22年11月までに1639件。人身事故も69件あり、1人が死亡している▼交通ルールを無視したり、乗り方を誤れば危険が伴うのは当然である。今回の規制緩和で、気軽で便利な乗り物になり、利用者の生活を潤すのであれば歓迎したい。今後は時速6キロ以下ならば歩道走行も可能になる。それによって、どこでもわが物顔で走られたのでは、はた迷惑な話である▼先日は大学のキャンパス内で、自転車同士が衝突し、女子大生が意識不明の重体になる事故もあったばかり。利便性を追求するあまり安全をないがしろにしてはならない。乗り物を運転する者は肝に銘じたい。

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