諏訪大社「お舟祭り」 4年ぶりに柴舟曳行へ

諏訪大社下社秋宮に向けて春宮を出発する柴舟=2019年8月1日
諏訪大社お舟祭り打ち合わせ会は23日、下諏訪町の諏訪大社下社秋宮参集殿で開き、8月1日の夏の遷座祭「お舟祭り」で4年ぶりに柴舟の曳行を行うことを決めた。新型コロナ感染拡大が完全に終息していない現状を踏まえ、奉曳者の安全で適正な曳行を考慮し、行列などは規模を縮小した形で実施。恒例の「神賑わい」の催しは見送り、柴舟曳行を最優先に行う。
コロナ下となった2020年から3年間は、感染対策のため、柴舟の曳行は取りやめた。柴舟に見立てた行列を組んで春宮から秋宮に向かい、柴舟に乗せていた神像を象徴する翁と媼の人形は諏訪大社下社人形保存会の会員が担いだ。
今回、曳行を担う御頭郷の落合・富士見・金沢地区は、大社の意向を受け、曳行方法を協議。密集を避けるため、曳行係を300人ずつの2班に分け、区間を決めておおむね30分以内を目安に交代しながら曳行する。最後の秋宮前大社通りでは、例年行う「お舟返し」はせず、両班協力して坂を一気に曳き上げる。
曳行は係の負担を減らすため、柴舟に乗る人数を従来の20人から12人に減らす(人形を保護する人形保存会会員を除く)。子どもの行列参加は見送り、稚児・舞姫行列は行わない。木やりやラッパを含め、総勢720人余の参加を見込む。
関係者は、ワクチンの3回以上の接種を推奨するなどの感染対策ガイドラインを定めた。暑さを考慮してマスク着用は原則不要としたが、必要に応じて着用できるよう携行する。
会の席上、町お舟祭り実行委員会事務局は、当日「神賑わい」の催しは行わないが、前日の7月31日は町民祭りの位置付けで「宵祭り」を4年ぶりに行う方針と報告した。
諏訪大社の北島和孝宮司は「当日は曳行に集中してもらいたい。皆さんとともに、笑顔で終えられることを望んでいます」とあいさつ。御頭郷地区責任大総代の牛山一宏さん(落合)は「安全で活気のあるお祭りにして、来年以降につなげたい」と話した。