2023年6月25日付

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飲食店が集まる繁華街の時間貸し駐車場。昼間の稼働率は夜に比べて低い。諏訪市大手の民間駐車場で月1回催す青空市「大手マルシェ」。空きの時間帯に別の使い方をする駐車場の”二毛作”で、生産者と消費者の交流の場やにぎわいづくりにつなげている▼オンライン予約・決済でよその駐車場を一時的に借りられます-。akippaはそんなサービスだ。全国に320万人の会員(ドライバー)がおり、利用可能な駐車場は常時3万5000カ所以上。県内にも200カ所以上ある▼コロナ下ではマイカー移動が増加。運転免許証の自主返納で自宅に空きを持つ高齢者も増える。足の不自由な親の通院に病院近くの登録駐車場を利用する人がいる。貸し手にとって副収入も魅力だが、「誰かの役に立てる」という思いを持てることが大きいだろう▼8月15日の諏訪湖祭湖上花火大会でこのシステムを活用し、諏訪市内11カ所の臨時駐車場で有料事前予約制が初めて導入される。事前予約・決済により観覧客は余裕をもって来場でき、交通混雑や入場待ちの車列を減らせる。民間施設や個人住宅で駐車場の貸し手も増やしていく▼新たな試みだけに周知徹底が肝要だ。知らずに来場した観覧客とのトラブルや私有地への迷惑駐車は避けたい。大会後の渋滞対策は引き続きの検討課題。この仕組みを郊外にも広げて公共交通機関での移動を増やすのも一案だ。

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