おもちゃの病院 伊那市で本格始動

おもちゃを修理するメンバーら
壊れたおもちゃを無償で修理するボランティア団体「おもちゃの病院伊那」が28日、伊那市で本格的な活動をスタートさせた。2月に市内で開かれた「おもちゃドクター」養成講座の受講者らが立ち上げた。この日は同市富県の富県子育て支援センターに出張し、続々と持ち込まれるおもちゃを”治療”した。今後は同市荒井の伊那まちBASE(ベース)を会場に定期的に開催する予定だ。
同団体は、モノを大切にする子どもの心を育み、ごみの削減やシニア世代の活躍の場づくりを目指す。全国のおもちゃ修理ボランティア「おもちゃドクター」が所属する団体「日本おもちゃ病院協会」に登録。メンバーは同市のNPO法人「伊那まちBASE」が開いた養成講座で学び、現在は上伊那地域の60~70代の約10人が「おもちゃドクター」として活動する。
おもちゃは音の出るもの、可動式の動物の縫いぐるみなどさまざまで、メンバーは構造を確認したり、相談し合ったりと試行錯誤しながら作業。高澤友宏さん(61)=同市=は「できる限りその場で直して返してあげたい。直ると達成感がある」と語った。
親族から譲り受けたおもちゃを持ち込んだ30代母親は「とてもありがたい。新しい物を買うよりも、頂いた物を使いたい」と喜んでいた。
代表の野本瑠美さん(42)は子どもが修理を見学する機会も検討中で「(おもちゃを)大切にしてほしい。ドクターのやりがいにもつながる」と話していた。
おもちゃ病院は8月以降、月1回開く予定。修理は無料だが、交換した部品は実費。問い合わせは、伊那まちBASE(電話0265・78・7001、電子メールinamachibase.117@gmail.com)へ。