2023年7月1日付

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全国の労働災害(全産業)は死者数については減少傾向にあるものの、死傷者数全体は増加傾向にある。厚生労働省によると、昨年の死傷者数はコロナ関連を除いて13万2355人に上る。10年前に比べて10%も増えている▼長野労働局によると、県内の昨年の休業4日以上の労災死傷者数は2294人(うち死者数は21人)で、前年比7・6%増。2002年以降で最多になった。年齢別では、60歳以上の労働者が32%を占めた。類型別は「転倒」が最も多かった。厚労省は全国で50歳以上を中心に転倒による骨折などのけがが増えているとし、注意を呼び掛けている▼以前職場の安全衛生管理の活動が優れているとして表彰された製造業の企業を取材した。工作機械に巻き込まれないよう対策を講じ、改善前後の写真を撮影して「見える化」。改善提案制度を設けて労使が協力して取り組みを強化するなど随所に工夫が見られた▼林業労災は午前や午後の休息後に多い傾向があると聞いたことがある。木を伐採する際は、倒す方向を声を出して確認する「指さし呼称」が大切という。従事年数が浅い人のけがが多いことから、ベテラン作業員による教育も重要になる▼7月1~7日は「全国安全週間」。職場での労災防止活動の大切さを再認識する期間とされる。労災事故は高年齢の人ばかりではなく、誰にも起こり得ることを肝に銘じ、対策を取りたい。

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