小平奈緒さん講演 辰野高110周年で

自身のスケート人生を振り返って語った小平さん
辰野高校同窓会は1日、同校創立110周年を記念した講演会を辰野町民会館で開いた。2018年平昌冬季五輪スピードスケート女子500メートルで金、同1000メートルで銀メダルを獲得し、昨年引退した茅野市出身の小平奈緒さんが講演。走り抜けたスケート人生を熱く語った。
小平さんは「人とつながる」をテーマに講演。3歳から始めたスケート人生を振り返りながら、「知らないことを知ることに感動し、新しい発見を自覚する瞬間が成長につながる。学びを積み重ねた人が進歩する」と学びの大切さについて語った。
平昌五輪で戦ったライバルのイ・サンファさんについては「リスペクトし、互いを高め合う存在」とし、五輪後の心境の変化について「数字や順位で評価され注目を集めることに生きづらさを感じ、地域の中の一人でありたいと思うようになった」と語った。
大会前に足を負傷して臨んだ北京冬季五輪では思うような成績を残せなかったが、等身大でいることが自身の最大限の自己表現だと悟ったという小平さん。「人とのつながりは数ではない。誰か一人でもいい。信じて見守ってくれる人、寄り添って応援してくれる人がいることに気づいてほしい」と語った。
同校は1923年に上伊那郡組合立伊北農蚕学校として開校。31年に伊北農商学校に改称して商業科設置。49年に現在の校名となり、今年創立110周年を迎えた。