2023年7月5日付
梅雨の晴れ間を使い、八ケ岳連峰の天狗岳を目指した。茅野市の唐沢鉱泉から入山し西天狗岳、東天狗岳、黒百合ヒュッテを巡るコース。こけむす森や咲き始めた高原植物、主峰赤岳に続く雄大な山並み、歩くのに苦労するゴロゴロした岩場など、北八ケ岳特有の自然を楽しめた▼年に数回だが山に登るようになったのは、20年ほど前の中央アルプス登山がきっかけの一つ。北御所から駒ケ岳直下の頂上山荘へ。翌日は駒ケ岳から聖職の碑を経て桂小場に下った。雨に苦しんだ中学登山の”リベンジ”。ほぼ同じ行程での再挑戦は天候に恵まれ、山の魅力に触れることができた▼上伊那の中学2年生が地元の山に登る「学校登山」。仲間と協力して心身の限界に挑む伝統行事として続いてきたが、近年は行程を簡略化する流れに。今年は中ア駒ケ岳に登る「西駒登山」を行うすべての学校が往復ともにロープウエーを使い、1校を除き日帰りになるという▼当初は伝統が崩れるとの厳しい声も聞かれたが、生徒の安全や体力への配慮が背景にあるという。学校現場では、教員の負担軽減も課題になっている。心身の限界に挑むよりも、地元の魅力に触れる機会にと、位置付けも変わってきたのだろう▼部活動も地域移行が始まった。環境が変わりつつある。子どもたちにどんな経験をさせ、どう支えるのか。学校任せでなく、家庭や地域の在り方が問われそうだ。