大芝高原を豊かな森に 南箕輪小6年4組作業

コナラの稚樹を掘り起こし、ポットに植え替えた南箕輪小6年4組の子どもたち=南箕輪村大芝高原
豊かな森林が広がる南箕輪村の大芝高原で学びを深める地元の南箕輪小学校6年4組は5日、植樹用の苗木にするため高原内に自生するコナラの稚樹を掘り出す作業を行った。急速に進むアカマツの松枯れに対し、今ある資源も生かした樹種転換で新たな大芝の森林づくりを進める村の取り組みに協力。稚樹は学校に持ち帰って3カ月余り育て、10月に同高原で開かれる「上伊那郡市植樹祭」でアカマツなどの伐採跡地に移植し、森の生命を循環させる。
伐採木でベンチを作ろうと考えたことを契機に、大芝高原に目を向けた同学級の33人。実際に足を運び散策する中で、樹種が30種以上に及ぶなど多様性ある森林に触れ、松枯れ被害のことも知った。
この日は、自生する稚樹を苗木として利用する「山引苗」と呼ばれる造林法を体験。10センチほどに育ったコナラをスコップで丁寧に掘り起こし、ポットに植え替えた。
別の場所から苗木を持ち込むだけではなく、森が自ら育んだ山引苗の活用により自然環境に合った森林づくりができることも体感した子どもたち。コナラの種がドングリであることも作業を通して学ぶなど、森の豊かさ、奥深さを汗して感じ取った。
根を傷めないよう細心の注意を払って取り組んでいた児童たち。悪戦苦闘しながらも上手に掘り出し「元気にたくましく育って、めっちゃ大きな木になってほしい」と声をそろえた。
山引苗は学校で水やりなどをして管理。10月25日の植樹祭当日に児童自らの手で高原の土に戻し、森が再生していく現場に立ち会う。
学級の取り組みに協力する村地域おこし協力隊の杉本健輔さんは「小さな木から豊かな森ができる。子どもたちの取り組みもきっかけに、みんなで考えて大芝の森林づくりを進めたい」と話した。