暴れみこし製作大詰め 津島神社祇園祭へ

製作の最終段階に入った今年の暴れみこし
「暴れみこし」で知られる宮田村の津島神社祇園祭は15日に宵祭りを迎え、同神社と周辺の商店街で開かれる。祭りのたびに新調される主役の「みこし」も同村町二区の大工、伊藤秀雄さん(75)=伊藤建築代表=の手により、完成までの最終段階に入った。飾り綱を付けて仕上がったみこしは、宵祭りに商店街を練り歩き、最後に同神社前で打ち壊される。
コロナ禍で、暴れみこしをはじめとする神賑行事を通常通り行うのは2019年以来4年ぶり。みこしは祭りの最後に男衆によって打ち壊されるため、かつては町一区から町三区の大工が毎年持ち回りで製作していたが、現在は伊藤さんが唯一の作り手。
今回は、伊藤さんが後継と認める50代の大工も一部製作に携わったほか、同村中越の大工、大谷初男さん(75)とともに、例年より早めの5月末ごろから通常業務の傍らみこし作りに取り組んできた。
みこしは一部サワラを使うものの、9割余はヒノキを使用。高さ約1.7メートルで1.2メートルの四方角。重さは200キロに及ぶ。
伊藤さんは「最後には打ち壊されるが、丁寧に仕上げようと心掛けた」という。4年ぶりの通常開催に向け「とにかく安全で、勢いがあって元気な祭りになってほしい」と願っていた。
みこしは祇園祭宵祭りの15日午後5時10分に津島神社を出発。中心市街地を練り歩き、神社に戻った午後10時すぎから打ち壊しが行われる。