2023年7月6日付
富山県東部を流れる黒部川水系の黒部川に建設された水力発電用の「黒部ダム」。1963年に完成した国内最大級のダムで、今年還暦を迎えた。貯水量は約2億立方メートル(東京ドーム160杯分)を誇り、今も住民の生活を支え続けている▼ダムには大小さまざまあり、全国各地にさまざまな目的で建設されたダムが存在する。水力発電や利水を目的としたダムは人々の生活を豊かにし、出水期には治水、治山、砂防などの役割を果たして人々の命や財産をも守っている▼ダムは一般的にコンクリートや土砂、岩石などで築かれる人工物であり、上流部には人工のダム湖が形成されるが、時として土砂災害などによって河川がせき止められることで、天然のダム湖が形成されることもある。青木湖や大正池もはるか昔にできた天然のダム湖なのだという▼そんなダムやダム湖は近年、観光資源としても注目され始めているようだ。毎年6~10月に行われる黒部ダムの大迫力の観光放水は、地元観光の大きな追い風になっている。ダムツーリズムも人気となり、国土交通省では民間ツアー会社と連携したダムツアーを実施しているという▼かつて田中康夫氏が県知事を務めていた時、ダム建設で論争が巻き起こった。人々の生活か、はたまた自然保全が優先か。ダム建設の是非は別として、せっかく巨費を投じて完成したダムであるのならば有効に活用すべきだろう。