子どもの孤立深まる チャイルドラインすわ

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子どもの現状を説明するチャイルドラインすわの運営委員たち。写真左が宮野孝樹委員長

子どもたちが友だちや親、先生といった身近な人間に相談しなくなっている―。18歳以下の子どもの悩みを電話で聴く「チャイルドラインすわ」運営委員会の宮野孝樹委員長が5日、諏訪市役所で開いた会見でこう語り、経済的な困窮や格差、多忙な生活、不寛容な大人社会の中で、孤独や孤立を深めている子どもたちの現状を訴えた。

チャイルドラインは毎日午後4時~9時に開設される子ども専用の無料電話。全国で68団体、2000人以上が活動し、年間20万件の子どもの声を聞いている。

チャイルドラインすわは2005年に開設。NPO法人すわ子ども文化ステーション(諏訪市)のチャイルドラインすわ運営委員会が火曜と金曜の週2日活動し、全国の子どもたちの声に寄り添っている。

宮野委員長は「子どもは大人社会の中で生きている。あらゆることが子どもの心に影響を与えている」と指摘。チャイルドラインの活動を通じて「子どもは困っていること、悩み、心配事を身近な人間に相談しなくなっている。人間関係が希薄化、劣化している」と力を込めた。

地域社会の現状に触れて「子どもたちが夢や希望をもって生きていけるのか不安で心配になる」と打ち明け、「電話をかけてくる子どもの80%以上は話を聞いてほしい、誰かとつながっていたい。子どもの声を聞くことは難しいが、その時間を大切にしたい」と決意。その上で「日本社会の中で何が起きているのか関心を持ち、少し居心地の悪い、幸せの感じられない国に生活している現実を心に置いて、子どもの声を聞いてほしい」と呼び掛けた。

県内では4団体が活動し、22年度は8909件を受け付けた。県内の子どもが発信した電話は562件という。「すわ」の着信は県内最多の2847件(前年比133件増)、このうち会話成立は925件だった。

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