スプレーアートで商店街盛り上げ 伊那中1年

制作したスプレーアート壁画の前で記念写真を撮る生徒ら=カラオケ空間ANON
地元の商店街を盛り上げよう-と伊那市伊那中学校1年生が6日、総合学習の一環で通り町商店街へ繰り出した。地域おこしチーム(13人)は、カラオケ店「カラオケ空間ANON(アノン)」をスプレーアートで「映えスポット」とする壁画を制作。商店街チーム(18人)は地域住民の交流拠点施設「伊那まちBASE(ベース)」でカレーを作り、子どもたちにカレーを無料で振る舞う「カレー大作戦」に理解を深めた。
1年生102人は5月、▽地域おこし▽商店街▽環境▽観光▽行政▽食文化-の6チームに分かれ、「これからの伊那市を考える」というテーマで学習をスタート。この日は1日かけて市内各地で具体的な活動を行った。

カレー大作戦の準備を体験する生徒ら=伊那まちBASE
動画制作などで地域活性化を目指す地域おこしチームは6月上旬に商店街を調べる街歩きで同店オーナーの桜山野乃さんと知り合った。コロナ禍に加えスーパーの閉店で寂しくなった商店街に人が集まる映えスポットを作りたい-という桜山さんの思いに共鳴。高さ約2メートル、幅約4メートルのアルミ複合板にスプレー塗料で地球や惑星を描き、同店正面の壁に取り付けた。
生徒の一人(12)は「住む人や訪れる人が増え、明るく楽しめる商店街になってほしい」と期待した。
商店街チームは地域の活性化を考える中で、市社会福祉協議会が地域の飲食店やボランティア団体と行っているカレー大作戦に着目。この取り組みに賛同する「いなか屋くーこ」の個人事業主、伊藤くみ子さん(37)が提供しているカレーのレシピを教わりながら、カレー大作戦の意義ややりがいを体験した。
出来たてのカレーを味わった同チームの生徒(12)は「カレーを食べると笑顔になれる。そんな活動に協力したい」。今後はカレーやお菓子など提供できる内容を考え、商店街活性化に取り組む予定という。