延焼地に輝く黄色 霧ケ峰のニッコウキスゲ

霧ケ峰・富士見台の延焼地でラッパ状の鮮やかな黄色い花を咲かせるニッコウキスゲ=6日午前
5月の大規模な林野火災で広範囲が焼けた霧ケ峰・富士見台(諏訪市)で、夏の高原の代表花ニッコウキスゲが五分咲き以上になり、鮮やかな草原の緑と青空を背に黄色い花が広がっている。丘状になった群生地は火災で4分の3ほどが焼けたが、火が入った区域は花芽の数が圧倒的に多く、観光客やハイカーの目を楽しませている。
「六、七分咲きです」。同所でドライブインを経営する木川泉さん(70)は6日、開花状況を知らせる看板を店の前に出すと、「燃えた部分は当たり年だった昨夏を上回るほどの咲き具合。花芽が多いので、長く楽しめそう」。10日ごろから盛りに入り、「海の日」を含む15~17日の3連休まで楽しめるのではないかと見通した。
富士見台の駐車場は、平日にも関わらず満車となる時間帯があった。女性2人は「花の数に圧倒された。富士山がくっきり浮かび、彩雲も見えた。最高の1日です」。佐久市の女性は「植物の影響が心配で、火災後、何度か足を運んでいる。真っ黒な焼け跡が芽吹きの緑に変わり、いまは黄色のじゅうたん。うれしいね」と感慨深げに景色を眺めていた。
霧ケ峰は例年、7月の3連休が観光入り込みのピークとなる。県霧ケ峰自然保護センターによると、延焼を免れた車山肩(諏訪市)は3連休直前に見頃になると予想。同センター前の園地(同)の開花状況は5日時点で約2割、八島ケ原湿原(下諏訪町、諏訪市)は約3割としている。