ミヤマシジミ生息地を 伊那西小3年食草栽培

ミヤマシジミの幼虫をコマツナギに移す伊那西小の3年生と岡村裕さん(左)
絶滅危惧種のミヤマシジミをはじめ、チョウについて学ぶ伊那市伊那西小学校3年生10人は、ミヤマシジミの生息地を同校敷地内に作ろう―と幼虫の食草「コマツナギ」の栽培に取り組んでいる。10日には食草に適した大きさに成長した校舎南側のコマツナギに初めて幼虫を放した。
同校では毎年、理科の授業で身近な昆虫の生態を学ぶ3年生が、ミヤマシジミ研究会幹事、伊那ミヤマシジミを守る会代表の岡村裕さん(82)=同市西春近=の指導でチョウの観察や飼育、食草の栽培などを行っている。
岡村さんは「ミヤマシジミの幼虫はコマツナギしか食べない。コマツナギが減ったことでミヤマシジミも激減し、絶滅危惧種に指定されている」と特徴を伝えながら説明。児童は同校敷地内にあるチョウ観察用大型ケージ「バタフライハウス」で育てているコマツナギに付いた幼虫やさなぎを見つけると、1人1匹ずつ幼虫を採集。3年前に屋外に植栽し、大きく育ったコマツナギへと幼虫を優しく移した。27、28日ごろに成虫になるという。
栽培に取り組む男児は「元気に育ってほしい。絶滅危惧種だから増えてくれるとうれしい」とにっこり。
岡村さんは「ミヤマシジミを通して自然の不思議、命の大切さを学んで」と児童の成長を願うとともに「将来、伊那西小に行けば誰でもミヤマシジミが見られるようになってほしい」と期待した。
児童はこの日、コマツナギの苗の植栽なども行った。