DX普及と生産性向上を スワモが促進大会

DX推進に取り組む諏訪地域の企業や行政関係者が一堂に会したキックオフ大会
NPO諏訪圏ものづくり推進機構(スワモ)は11日、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む中小企業を産学官金連携で支援する「諏訪地域半導体産業等DX促進事業」のキックオフ大会を、諏訪市湖岸通りのホテル紅やで開いた。事業説明や基調講演に続いて、国や県、企業の取り組みに理解を深め、DXの普及と生産性の向上に向けた活動をスタートさせた。
経済産業省の「地域DX促進環境整備事業」の採択を受け、今年度は3000万円の全額補助で事業を展開する。半導体関係企業5社を支援対象とし、各企業が抱えるDX関連の課題解決やサイバーセキュリティー対策を進める。5年先を見据えて人材育成も推進する。
受託機関のスワモを中心に、公立諏訪東京理科大学と諏訪信用金庫、県諏訪地域振興局、伴走支援に当たる民間企業2社で支援体制を作り、各社が抱える経営や事業、技術的な課題を聞き取った上で、テーマを設定して伴走支援を実行する。8月6日には茅野市で中高生や大学生向けのDX講演会を開く。
キックオフ大会には諏訪地域でDXに取り組む企業や行政関係者ら約90人が集まった。セイコーエプソン執行役員DX推進本部の髙相知郎本部長が「製造業におけるDX」と題して講演し、同社の取り組みを紹介したほか、県産業労働部の田中達也部長や東洋精機工業の小川毅取締役部長、小松精機工作所の小松隆史専務取締役(研究開発部長)が事例を発表した。
スワモの小口武男理事長は「議論しながら成長し、生産性が高く競争力のある互いに刺激し合う地域になれば」と海外出張先からメッセージを寄せた。経産省関東経済産業局デジタル経済課の横川博司課長は「地域の関係者が一体となった挑戦を全力で後押しします。ロールモデルとなって他地域に展開していけば」と期待した。