2023年7月14日付

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「メタバース」という言葉がだいぶ身近になったように思う。「超(メタ)」と「宇宙(ユニバース)」を組み合わせた造語で、オンライン上に構築された仮想空間のこと▼利用者は自身の分身となるアバターで空間内を散策したり、他のユーザーと交流したりできる。ビジネス分野でも注目されている。総務省が発表した2022年版の「情報通信白書」によると、メタバースの世界市場は21年に4兆2640億円だったが、30年には78兆8705億円まで拡大すると予想。コロナ禍によるオンライン需要の増加も契機になったようだ▼慶応大学経済学部の藤田康範教授の研究会(ゼミ)は、岡谷市の旧山一林組製糸事務所内に研究室を置いた。これまでも仕事と休暇を両立する学生版「ワーケーション」、諏訪の魅力をPRする動画作成などで縁があり、地方創生にも関わる同研究会。事務所内の一部屋を拠点に、製糸業で栄えた「シルク岡谷」の研究を始める▼経済学の視点から考察し、内容はインスタグラムなどのSNSで発信する。それだけでなく、メタバースを活用した研究やPR活動にも取り組むという。今年度は、大正から昭和初期にかけてのシルク岡谷の街をメタバース空間に復元する計画もある▼空気感をどのように捉え、どう表現するのだろうか。取材後に興味が湧いた。学生の柔軟な発想と、第三者の視点でのPR活動が楽しみである。

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