堀辰雄「風立ちぬ」を読み解く 堀井さん講演

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小説「風立ちぬ」の背景や心境などを解説する堀井正子さん

富士見町コミュニティ・プラザで13日、文学研究者の堀井正子さんを招いた講演会「堀辰雄の『風立ちぬ』と富士見の文人たち」が開かれた。町民ら50人が参加。作家堀辰雄が旧富士見高原療養所で過ごした経験を元に描いた小説「風立ちぬ」を読み解き、背景や心境などを説明し、作品の世界観を伝えた。

堀辰雄は1904年生まれ。大学卒業後に作家活動を始め、晩年は婚約者と共に同療養所で生活した。

堀井さんは当時の写真を見せながら話した。小説は堀と婚約者の最後の日々を描いた作品で、冒頭の「頑張って生きよう」との思いが込められた言葉「風立ちぬ、いざ生きめやも」からタイトルが付けられたと述べた。

生活に対する2人の考え方の違いにも触れ、夕日を見ながら感動する場面では、堀は病気を乗り越えた未来、婚約者は死を意識しているとし、「同じ夕日を見ていても思いが違う。作中には同じような箇所が多いので、見逃さないように読んで」と伝えた。

八十二文化財団(長野市)の主催。県民を対象とした同町の名所を巡るバス講座の一環として行い、講演会のみ町内から参加者を募った。講演前には、高原のミュージアムの見学や同町の富士見公園にある歌碑の解説もあった。

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