岡谷の墳墓出土品 115年ぶり「里帰り」

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出土から115年ぶりに岡谷市で初めて公開される天王垣外遺跡の勾玉(左)と管玉

岡谷市の岡谷美術考古館は15日から、「天王垣外(てんのうがいと)遺跡の勾玉と管玉」展を同館で開く。弥生時代の墳墓と思われる天王垣外遺跡(同市中央町付近)から1907(明治40)年に出土し、帝室博物館(現東京国立博物館)に買い上げられた勾玉や管玉13点を、出土から115年ぶりに初めて岡谷市で展示する。9月18日まで。

天王垣外遺跡の勾玉と管玉は1907年に平野村(現岡谷市)の道路工事中に土器の甕(かめ)の中から359点が見つかった。弥生時代の勾玉・管玉の出土量としては当時国内最多で、翌年に帝室博物館が参拾円(30円、現在の60万円相当)で買い上げた。今回は国立博物館収蔵品貸与促進事業の特別協力を受けて、岡谷美術考古館が借り受けた。

勾玉は翡翠や石英を原料に、特徴ある三日月形に切り出され、大きさは最大3センチ。上辺に2~3ミリの穴が開けられている。小さな勾玉は糸を通して環状に展示する。管玉は鉄石英が原料の赤色の物もあり、ネックレス状に糸を通して展示。石器しかない時代に棒状の翡翠に直径1ミリの穴を開ける技術の高さに驚かされる。

同館では「東京国立博物館に展示されていた岡谷関係の物は天王垣外遺跡の勾玉と管玉だけ。岡谷弥生人の技術力が垣間見える。岡谷市で見られるのは今回限りかもしれない。弥生時代の岡谷遺跡の素晴らしさを感じてほしい」としている。

開館時間は午前10時~午後6時。休館日は水曜日と祝日の翌日(8月12日は開館)。入館料は一般520円、小中学生260円(諏訪地方の小中学生、岡谷市在住在学の高校生は無料)。問い合わせは同館(電話0266・22・5854)へ。

関連イベントとして、8月5日午後2時から、同市のイルフプラザ・カルチャーセンターで県立博物館の町田勝則さんによる講演会「天王垣外遺跡の玉類が意味するもの」も開かれる。

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