物品を不正取得 JA上伊那職員7人懲戒処分

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会見で謝罪する西村篝組合長=伊那市のJA上伊那本所

JA上伊那(伊那市)は15日、30~70代の8人の男性職員が組合員から寄せられた修理や注文を不当操作し、工具類やキャンプ用品などを不正取得して私的に流用していたと発表した。組合員やJAに与えた被害総額は231万8160円。すでに退職した1人を除く7人を懲戒処分にした。不正は2017年6月から今年5月まで長期に及び、計83件を確認。西村篝組合長らが同日記者会見して謝罪した。商品管理や内部監査のずさんさは認めたが、不正は職員個々の単独行為であるとして組織的な共謀は否定した。

8人のうち7人は伊那市と駒ケ根市にある農機センターの職員で、1人は店舗職員。63件・206万円の不正を行った49歳の職員と、9件・12万円の被害を与えた34歳の職員の2人については、業務上横領に当たるとして解雇とした。全額弁償が確約されたとして刑事告訴はしない。

不正は組合員からの注文や修理に対して水増し発注するなどして、自分が欲しい物品を紛れ込ませ取得する手口。発覚逃れのために請求書や伝票に細工も施していた。得た物品は自宅に持ち帰ったり、職場で使ったりして、転売も1件あった。

組合員への被害は伊那市、辰野町、箕輪町、南箕輪村、宮田村の33人で46件に及び、最も大きかった被害は1件で35万円に及んだ。本来は農機センターで取り扱わない商品が別のJA店舗から転送されていたことなどから、一連の事案が明るみになった。

会見で西村組合長は「JAの信頼を大きく損なった。再発防止を徹底し、マイナスからの信用回復に役職員一丸となって努める」と陳謝。長期に及んだ不正を見抜けず自浄作用が働かなかったことも受けて、第三者による監査や管理システム構築の必要性を示した。

西村組合長ら4人の役員は監督責任を取って、報酬の5%を在職年数に応じて1~4カ月、自主返納する。

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