雛菊さん故郷に笑いと感動 二ツ目昇進披露

二ツ目昇進披露の会の口上で師匠の古今亭菊之丞さんから激励を受ける雛菊さん(左)
諏訪市出身の落語家、古今亭雛菊さん(29)=本名・林結里花=の「第1回つながり寄席~二ツ目昇進披露の会」(長野日報社など協賛)が15日、諏訪市文化センターで開かれた。大入りの約500人が来場し、会場は大きな笑いに包まれた。
昇進披露の会は、寄席文化の地方での普及を目指す市民団体「つながり寄席」が主催。橘家文蔵さん、柳家喬太郎さん、紙切りの林家正楽さん、師匠の古今亭菊之丞さんらが出演。二ツ目では珍しい「昇進口上」も行われた。
雛菊さんは駒澤大学仏教学部卒業後、偶然訪れた浅草演芸ホールに出演していた古今亭菊之丞さんの落語に感動。2017年に菊之丞師匠に弟子入りした。18年から「まめ菊」として前座を務め、22年5月に二ツ目に昇進し、「雛菊」と改名した。
昇進口上で菊之丞師匠は「雛菊は厳しい内弟子の修行に耐え根性がある。何よりも落語が好きで、愛嬌もある。お客さまの励ましで、真打ち目指してさらなる精進を」と期待した。トリ(最後の演目)は雛菊さんが大ネタの人情噺「子は鎹」を披露。別れた夫婦を子どもが再び結びつける物語に、会場は大きな笑いと拍手、感動の涙にあふれた。
高座後の取材に雛菊さんは「今の落語力でできる噺を全力で披露できた。二ツ目の昇進披露は師匠たちに感謝したい。今後は諏訪の地で何度も寄席を開き、落語の楽しさや気軽さを多くの人に伝えたい」と話した。