2023年7月17日付

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災害と隣り合わせで生きている。そんなことを改めて思い起こさせる梅雨末期の豪雨災害である。2006年7月の「平成18年7月豪雨」もちょうど今頃だった。梅雨前線による大雨で岡谷市や諏訪市、辰野町など広範囲で大きな被害が出た▼当時の勤務地は諏訪市。取材のため災害対策本部のある市役所で夜を明かし、朝になって外を見ると辺りは一面水浸し。とにかくカメラを手に街へ出た。川のようになった道路、水につかった車-。そんな中をボートで支援物資を届ける消防隊員の姿も。どれも初めて見る光景だった。夢中で撮影しながら上諏訪駅方面へ向かうと徐々に水かさが増し、腰ぐらいの深さになったところで諦めて引き返した▼無知とは恐ろしいもの。もしあふれた水でマンホールのふたが開いていたり、道路と水路の境目が見えなくなったりしていたら…。危うく命を落とす危険もあった。当時はそこまで考えが及ばず、軽率な行動だった▼小欄でもこれまで何度か取り上げたのは、自分に都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりする「正常性バイアス」という心の働き。異常を正常の範囲内と捉え心の安定を保とうとするメカニズムである。逃げ遅れなどの原因となる▼梅雨が終われば夏本番。だが、安心はできない。もはや災害レベルといわれる暑さである。「自分は大丈夫」「まだ大丈夫」-。そんな先入観が最も危険である。

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